病院で2年勤務して、
「子供に関わりたい」「幼少期の大切な時期を食事で支えたい・食育したい」
という思いで保育園の栄養士へ転職しました。
病院で厨房現場を経験していなかったこともあり、厨房業務が大変に感じました。
子供の食事といえども、暑くて寒い厨房の中で
240食分の肉と野菜の切り込みと調理、240食分の食器洗浄をするのは
なかなかの重労働です。
✔️保育園栄養士に興味がある・働きたい
✔️管理栄養士いろいろな働き方を知りたい
私の経験談を紹介します。
働いた保育園について
園児人数 :240名(分園あり)
(0歳児24名、1歳児36名、2歳児42名、3歳児45名、4歳児45名、5歳児45名)
先生の給食:以上児担任6名分のみ
献立 :自園献立
(基本的に一汁二菜、おやつは手作り、朝おやつはふかし芋や人参スティック)
給食従事者:正社員栄養士1名、正社員調理師2名、パート栄養士1名、パート調理員1名
(シフト制のため、基本4名で調理)
離乳食 :最大20食程度(初期〜後期食まで)
アレルギー:アレルギー物の提供有無に関わらず
給食室で盛り付け、個別トレーで配膳
配膳 :0歳児のみ盛り付け、残りは食缶提供。各クラスで盛り付け。
分園 :車で5分ちょっとのところに0歳児、1歳児の計19名が
朝おやつのみ調理、それ以外は本園で調理したものを車で運搬、配膳
※分園へ1名いく間、本園での人数が減るため、大変でした、、、
1日の流れ
細々したことが多いので
ここではざーっとした1日の流れを紹介していきます。
8時00分〜 勤務開始
厨房拭き上げや前日の食器片付けなど準備、納品検品
8時15分〜 米洗浄セット、出汁準備、野菜洗浄など
8時30分〜 朝おやつ準備、食器セット、野菜洗浄・切り込み開始
9時00分〜 朝おやつ配膳、野菜切り込みや肉魚の下処理など、1名分園から戻る
9時30分〜 調理開始、朝おやつ食器洗浄、
10時30分 未満児給食提供、1名分園へ出発、おやつ準備(計量など)
11時30分 以上児給食提供
12時00分 休憩
13時00分 おやつ調理、食器洗浄
14時30分 おやつ提供、1名分園へ出発
清掃、事務作業、翌日の準備
15時30分〜 おやつ食器洗浄、清掃、拭き上げ
16時30分 1名分園から戻る
17時00分 業務終了
大まかには、この流れです。
事務作業の時間は足りないため、
昼休憩の間や業務終了後、持ち帰りで仕事していました。
保育園栄養士の事務業務
保育園栄養士は
調理はもちろん、それ以外の業務が栄養士の腕の見せどころです。
・献立作成・栄養価計算・評価
・食材発注
・給食費管理
・アレルギー管理
・献立表・給食だより作成
・衛生面など諸々書類管理
・食育活動
などが挙げられるかなと思います。
保育園栄養士の大変なこと
圧倒的に事務作業の時間が取れない
1日で事務作業に充てられる時間は、良くて1時間ほどでした。
取れない時の方が多かったです(笑)
手作りおやつが基本で、会議の日のみ市販のおやつの園でした。
簡単なおやつでひとりで作れる時に、事務作業させてもらったりしていました。
あと、事務作業のゴールデンタイムは土曜日で、
午後から事務作業に集中していました。
アレルギー対応が多い
乳幼児に多い鶏卵、牛乳、小麦のアレルギーは3歳までに5割
小学校の就学までに7-8割が治ると言われています。
なので、保育園では除去が必要な園児が多いです!
卵、牛乳、小麦はもちろん、ナッツや大豆、魚類など
様々なアレルギーの園児がおり、合計20名ほどアレルギー対応していました。
園によりますが、私の園では部分除去対応していて
「完全除去」「つなぎOK」「このおやつは食べられる」など対応していて
子供の命に関わることなので細心の注意を払っていました。
病院などと異なり、前日仕込みができない(野菜を洗って切り込み作業から始まる朝)
8時に野菜を納品して、
芋類は洗って、、、
9時過ぎには朝おやつを提供し
10時10分には調理完了して配膳する
基本的に当日納品のため
その間にもいろいろな業者が納品に来ます。
その対応も頻繁にあるため
朝の時間がとっても惜しかったです!
人員不足
分園があったため、
移動や分園での業務があるため本園での業務ができるのは
8時間のうち4時間程度です。
なので、分園があるのとないのでは、大変さ違うと思います。
また、厨房のパートさんは、子育て中のママが多いです。
そのため、急な早退や欠席は日常茶飯事です!
でも、人員に余裕をもって配置されている訳はないので
欠員が出ても少ない人数でどうにかするしかありません。
1週間に1度はあると覚悟して働いていました。
保育園栄養士のやりがい
「今日のおやつは何〜?」「今日も美味しかったよ!」と
給食をとりに来る時や保育室の前を通る際に話しかけてくれると
とっても嬉しかったです。
「乳幼児期という一生の身体の基礎を作る大事な時期」の食事を作る
責任を感じながら働く毎日は、とても大変だけど、やりがいがある仕事です。
当時は独身、現在子供を育てる親の立場になって
当時は「大変!!!!」の方が強かったけど、
今改めて考えると「もっとああしたらよかった」「こういうのも食べてほしい」
という気持ちで溢れています。
退職した理由
わたしは結婚を機に退職しました。
・厨房内の重労働
・残業代の出ない事務作業の持ち帰り(正社員の栄養士は私だけ)
・結婚後早いうちに妊娠出産を希望していたが
この厨房環境で乗り切れる自信がない
・これまでの給食室で産休育休取得実績なし
(みんな結婚を機に退職していく)
・保育園の家族経営がすごい(笑)
の理由で、長く続けることは出来ないなということで
退職しました。
子育てが落ち着いて、子供の体調不良が減る頃
小規模保育園で働きたいなという思いが今のところ強いです。
なんせ、小規模保育園は給食室1名体制が多いからです。
まとめ
大切な子供を預ける場所 ”保育園”
働いて忙しい中、朝ご飯や夜ご飯に
栄養たくさんの食事を作れていると自信を持てる家庭の方が
少数派だと思います。
そこで頼れるのが、保育園の昼ごはんとおやつ
その食事の栄養を考えて作る栄養士
とっても大切な役割がある仕事かなと思います。
もっと人員と時間に余裕ができて、重労働でなければ、、、
喜んで働きたいです!!!(笑)
240食で手の凝ったおやつ作りは時間的に結構限界を感じたので
100食前後の保育園だともっといいのかなと思いました。
(でも、その分調理人数も減るから、どうなのかわからないです)