【管理栄養士の転職】慢性期病院(リハビリ病院)ってどう?

管理栄養士の転職

新卒で就職したのは、慢性期病院(回復期リハ病棟あり)でした。
大学の実習で行った病院は「急性期病院」
実習では急性期病院に行く人がほとんどではないでしょうか?

3病棟あるうちの1病棟を、回復期リハ病棟Ⅰにする!専任栄養士が必要になる!
というタイミングで就職しました。
なので、みんなよくわからず、ふわふわした状況で働き始めた感じです(笑)

私が経験した慢性期病院の管理栄養士の日常を紹介します!

✔️病院の管理栄養士の1日を知りたい
✔️回復期病棟の管理栄養士は何している?
✔️病院管理栄養士って実際どう?働いて良かった?
✔️退職した理由は?

是非、最後までご覧ください。

勤務した病院について

病床数:180床(リハビリ病棟60床、療養病棟120床)
給食:厨房業務、献立作成委託
管理栄養士:2名
患者層:リハビリ病棟は脳卒中や骨折後のリハビリの方
    療養病棟は膝手術後のリハビリや寝たきりの方
※入退院は1日2〜3名
※紙カルテ、紙食事箋、食数管理ソフトあり

紙カルテ、医師は40〜60代の昔からある病院でした。

管理栄養士の一日

それでは1日の流れを紹介します。

8時30分〜 ミーティング
9時00分〜 前日夜分の食事箋処理
終わり次第 病棟業務(カルテ確認・記入、栄養指導、他職種へ相談、ラウンド、入退院カンファ等)
10時30分 昼食分の食事箋締切、厨房へ変更分伝達
終わり次第 病棟業務
12時00分 ミールラウンド
12時30分 栄養指導
13時00分 昼食、カンファレンス
      栄養指導準備、病棟業務、栄養士間ミーティングなど
15時30分 夕食分の食事箋締切、厨房へ変更分伝達
17時30分 勤務終了
(遅出勤務の時)
18時00分 翌朝分の食事箋締切、厨房へ変更分伝達

日によって異なりますが、このような1日です。
患者さんは毎日3時間ほどリハビリするため、
リハビリの空き時間を狙って
栄養指導したり、様子を聞きに行ったりする必要がありました。

管理栄養士の立場

病院、管理栄養士の働きによりますが
残念ながら、立場は低かったです。

病院もやはり、ビジネスです。点数を稼ぐことが優先されるのを感じました。
リハビリ病院だったこともあり、入院の目的は「リハビリ」でした。
そして、結果が目に見えてわかるのも「リハビリ」でした。

コメディカルの中でも
リハビリ職は点数が稼げる
薬剤師はいなければ薬が出ない、薬剤指導でも点数がとれる
放射線技師や検査技師もいなければ検査ができない、

管理栄養士は、、、??

・食事は厨房に言えば出てくる
・前の病院と同じ食事内容を出しておけば大丈夫
・診療報酬の点数を稼げない
・食形態は言語聴覚士に聞いてみよう
・食べているから大丈夫、食べれてないから捕食つけとこう
・血圧・血糖もう少し抑えたい、とりあえず薬を変えて様子をみよう
・管理栄養士は病院に1人いれば、設置基準を満たせるから大丈夫
・回復期リハ病棟で、専任管理栄養士が必要になったものの
 今まで病棟に栄養士がいなかったから、誰もよくわからない

残念ながら、上記のように肩身が狭いのがお分かりでしょうか。
また、病棟からの肩身が狭いだけでなく、
点数も稼ぎにくいので経営サイドからも肩身が狭いです。
完全に私の実力不足です。
しかし、この状態は1年もすると変えることができたので頑張れば大丈夫です。

栄養士として、看護師や他職種にまず認識してもらう、
仲良くなる、アピールしていくことができれば
食事のことに関しては「とりあえず栄養士さんに聞いてみよう」となってもらえたので
根気強く病棟に行って、タイミングを図ってアピールしましょう。

リハビリ栄養

近年は「リハビリ栄養」と言って
”低栄養の状態やご飯が食べられていない状況でリハビリしても
成果が出にくいから、しっかり栄養管理をした上でリハビリしましょう”
というものが少しずつ認知されてきているものの
医師や看護師、理学療法士など多職種での連携が必要です。

勉強している理学療法士さんや、言語聴覚士さんが数人いて
その人たちと研修へ行ったり、ミールラウンドの時に話をして実践したりできて
それはとても楽しかったです。
この輪がどんどん広まるといいのにな〜と思います。

ちなみに、理学療法士さんたち、
1日にリハビリを6時間40分(20分×20単位)こなさなければならない
病院だったため、かなり多忙で話しかけるタイミングが難しかったです。

病院で稼ぐアピールをできる管理栄養士になるために

病棟だけでなく、院長や経営サイドにもアピールが必要です。
私の病院では事務部長から、「栄養指導栄養指導〜」言われていました。

①栄養指導

1番点数をアピールしやすいです。
初回 260点(2,600円)
2回目 200点(2,000円)

平成28年診療報酬改定で「低栄養」でも栄養指導加算が可能になりました。
医師に低栄養でも栄養指導できるということを認知してもらうと
指導依頼が来ることが増えました。

②特別食加算

糖尿病食・心臓病食などの治療食を提供した場合に加算されるものです。
1食あたり76円(1日228円)加算されます。

ここで注意するのが
高血圧による塩分制限食は加算をつけることができません。
食事箋に記入されている病名に「高血圧」だけ記載されていたら、
カルテを確認して、他の病名がないか、脂質異常症の薬を飲んでいないかを確認していました。
病名があるかないかで、1ヶ月で6,000円ほど変わってくるので大事です。
電子カルテだったら、この必要はないのかもしれないですが、、、
紙カルテの場合はこれは必須です。

他にもNST加算などあるのですが、加算条件が厳しいので
病院全体で栄養に力を入れている病院でなければ難しいと思います。

病院で働いて良かったこと

①薬について詳しくなる

薬についての知識が皆無でしたが、
薬の名前を見たら病名がわかるようになりました(笑)

②健康の大切さを改めて感じる

改めて、健康でいたい、と強く思いました。
病気について詳しくなればなるほど、食生活習慣の大切さを感じます

③様々な勉強会に参加し、どんどん臨床について詳しくなれる

糖尿病の研修会などたくさん行われています
近隣の病院で行われているものにも、誘ってもらえます。

転職を決めた理由

「食事」で健康な体をつくる仕事をしたいという思いが強くなりました。
その理由を説明します。

病気になる前の予防に関わりたい

脳卒中になり、障害が残ったり、リハビリが必要になった方にたくさん出会いました。
30代のようなまだまだ若い方から高齢の方まで、誰でもなり得る病気です。
発症後の本人やご家族に
再発予防についてお話しすることがたくさんできて、やり甲斐もありました。

しかし、
・病気の根本は日々の食生活習慣が大事だな
・病気にならないために何かできないかな

という思いが強くなっていきました。

栄養補助食品が苦手で食事療法に疑問をもった

まず、味が苦手でした。これを患者さんに勧めるのが辛かったです。

また、リハビリ栄養となると
食べられない患者さんに栄養補助食品を追加することを提案することが多いです。
栄養補助食品は、タンパク質が豊富なもの、脂質が多めのもの、糖質が多めのもの様々です。

脂質異常症の患者さん、糖尿病の患者さん、体重減量したい患者さん
栄養補助食品の組成を見て、医師へ提案します。
その一方で、治療食を提供して、栄養療法について指導します。

考えが浅いのかもしれませんが、矛盾があるように思えて
「食事療法って何?」となってしまいました。

人が亡くなるのが辛い

これは私の弱さです。
病院だけでなく、高齢者施設でも同じようなことがいえると思います。

病院で働いていると、人が亡くなることは珍しいことではありません。
・つい最近まで普通に話をしていた方が、ある日出勤すると亡くなっていた
・病状悪化して転院し、転院先でそのまま亡くなった
・誤嚥性肺炎を機に、食べることができなくなり弱って亡くなった
など経験しました。
毎回、「私にできたことは無かったかな」と考えたり
「食事あれで良かったのかな」「補助食品つけておけば良かったかな」など
考えずにはいられませんでした。
特に、誤嚥性肺炎で悪化する患者さんは、私のせいかなと思ってしまうことも多々でした。

まとめ

結果、私は保育園栄養士へ転職しました。

食事は体を作る、病気の治療の土台になるものだと思います。
この考えが、どんどん広がっていって欲しいです。

保育園に転職してどうだったか、また記録していくので
是非ご覧ください。